『インフルエンザ予防接種について』
インフルエンザとは、インフルエンザ・ウイルスによる伝染性疾患です。咳やくしゃみなどで飛ばされる気道分泌物によって広がります。誰もがインフルエンザにかかる可能性がありますが、乳児、高齢者、妊婦または心臓や肺、腎臓や免疫不全などの疾患を持つ方では重篤化するケースも少なくありません。
症状： 発熱、咳、のどの痛み、頭痛、悪寒、筋肉痛、だるさ、嘔吐など
インフルエンザは高熱、肺炎を引き起こし、持病を悪化させます。また子どもでは、けいれんや下痢を引き起こすこともあります。
不活化インフルエンザ・ワクチンは、死滅させたウイルスから分解した成分を含み、インフルエンザ・ウイルスの感染から身体を守る抗体を生み出します。ワクチンは不活化で生ワクチンではありませんので、ワクチンによりインフルエンザを引き起こすことはありません。
インフルエンザ・ウイルスの種類やその変異、流行の情報をあわせて、毎年WHO（世界保健機構）が北半球、南半球での推奨ウイルス株を発表し、それをもとに各国が独自にワクチンを調剤するため毎年各国でのワクチンの調剤内容は違います（通常2種類の亜型A型、2種類のB型の4種類が混合されているものになります。65歳以上向けのワクチンでは3種類です）。
インフルエンザワクチンは接種してから予防効果を発するまでは最低2週間、そしてその効果は最も効果的に約3～4ヶ月、その後最長6ヶ月まで持続すると言われています。
2023年度冬季のオーストラリアでのワクチンは以下の株の組み合わせとなります。
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A/シドニー/5/2021（H1N1）
A/ダーウィン/9/2021（H3N2）
B/オーストリア/1359417/2021 株
B/プーケット/3073/2013
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オーストラリア政府の保健機関では基本的に生後6ヶ月以上の全ての方にインフルエンザの予防接種を勧めています。生後6ヶ月以上で何らかの健康上の問題を持ち、インフルエンザの感染により重篤化するリスクの高い人では毎年の定期的な予防接種が特に勧められています。
残念ながらワクチンの効果は100％ではありませんので、接種をすれば絶対にインフルエンザに罹からないというわけではありません。ワクチンの目的はインフルエンザが重篤化しないようにするということです。よって軽いインフルエンザに罹ることはありますし、インフルエンザには罹らなくても風邪を引いてしまうことは避けられません。
もし何か深刻な（生命を脅かすほどの）アレルギーがある場合は、必ずその旨をドクターに伝えましょう。インフルエンザ・ワクチン・ウイルスは、鶏卵の中で生成されるため、重度の卵アレルギーがある方では接種はできません。また他の何らかの予防接種にアレルギーがある場合もインフルエンザの接種はできないことがあります。ドクターと相談しましょう。
もし過去にギランバレー症候群（筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなる深刻な病気）にかかったことがある場合、またはインフルエンザの予防接種後に何らかの深刻な問題があった場合は、必ずドクターまたは看護師に伝えてください。
体調がすぐれない方では、回復するまで予防接種は控えて下さい。どうしたらよいかわからない場合はドクターに相談しましょう。
予防接種ワクチンを含むいかなる薬剤も深刻なアレルギー反応やその他の問題を引き起こすリスクがあります。しかし、インフルエンザ・ワクチンでは深刻な問題が起こることは稀です。
予防接種後のよくある軽い反応は微熱や軽い節々の痛み、注射部位の痛みや腫れ、赤みなどです。これらの症状はたいてい1～2日で特に治療もせずによくなります。もし接種後に以下のような重篤アレルギー反応を引き起こした場合、直ちにドクターの診察を受けるか、病院の救急外来へ行ってください。
• 呼吸困難
• ひどい咳
• 嗄声（ひどい声がれ）、ぜい鳴
• じんましん
• 顔面蒼白
• 意識混濁、もうろうとした状態
• 高熱とけいれん
• おかしな言動
予防接種後38.5度以上の発熱が見られる場合
• 体重、年齢に応じた量のパナドール（paracetamol）を服用する
• 水分を余分に与える
• 薄着にする
今回は『インフルエンザ予防接種』についてご案内致しましたが、当予防接種についてご不明な点やご質問がございましたらお気軽に日本語医療センターまでお問い合わせください。