『オーストラリアの医療システム』
オーストラリアの医療システムは、日本の医療システムとは異なります。今回は、GP(General Practitioner)についてご説明します。
GPとは、General Practitionerの略で、一般開業医のことです。 GPでは、内科、外科、整形外科、小児科、眼科、耳鼻科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科(性行為感染症)、アレルギー科、精神科・心療内科など、歯科を除く全てにおいて幅広い診療を受けることができます。また、各種健康診断(但し、ビザ取得の際に移民局が必要とする健康診断書に該当するものを除く)や子どもの定期検診・予防接種、旅行のための予防接種、妊婦検診なども受けられます。当日本語医療センターはこのGPのクリニックにあたります。
日本では自分の症状に合わせて内科や耳鼻科など行く病院を決めますが、オーストラリアではどのような症状でもまずGPで診察を受けます。また、レントゲンやCTスキャン、超音波などの検査はGPから指示を出してもらい、その検査機関へ必要なら予約を取り、検査を受けに行き、その結果をまたGPでみてもらうということになります。GPでできうる基本的な診療は全て行います。
しかし、GPで眼科も受診できますが、メガネやコンタクトレンズの処方は眼鏡店にいる検眼士(Optometrist)が行います。たいていの眼鏡店に検眼士はいますので、そちらで予約を直接取ります。さらに専門的な診断・治療が必要とされた場合は、専門医への紹介をされることになります。
一般的にGPや専門医などの受診はほぼ完全に予約制になっており、特に専門医の場合は重症度にもよりますが3~4週間の予約待ちがほとんどで、重症でなければ専門医によっては半年以上の予約待ちもよくあります。
日本であれば大きな病院に行けば長い待ち時間はあったとしても、検査も専門医の診察も大抵その日のうちに全てそこで済ませてしまうことができますが、それに比べてオーストラリアの医療システムは手続きに戸惑ったり、いらだったりしてしまいますが、これは全てを完全に分業化してしまうことで利益の一点集中を防ぎ、また国と個人にかかる医療費削減を目的としているためです。
では最後に、「一刻を争う重症な状態の場合はどうするの?」ということになりますが、その時は直接病院の救急外来(Emergency)に行きます。救急病院は年中無休、24時間診療を受けつけており、予約は不要です。救急病院については、前回の最新情報で紹介していますので、そちらを参考にして下さい。
今回は『オーストラリアの医療システム』についてご案内致しました。当地オーストラリアで医療について困ったことや分からないことがございましたら、お気軽に日本語医療センターまでお問い合わせください。