コロナ感染による制限も減り、最近新しくパースに来られた日本人の方々が増えてきました。
パースに来たばかりの方々へ、オーストラリアの医療システムについてご案内いたします。
GPとはGeneral Practitionerの略、一般開業医のことです。 GPでは内科、外科、整形外科、小児科、眼科、耳鼻科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科(性行為感染症)、アレルギー科、精神科・心療内科など、歯科を除く全てにおいて幅広い診療を受けることができます。また各種健康診断(但しVISAに関するものを除く)や子供の定期検診・予防接種、旅行のための予防接種、妊婦検診なども受けられます。当日本語医療センターはこのGPのクリニックにあたります。
日本では自分の症状に合わせて内科や耳鼻科など行く病院を決めますが、オーストラリアではどのような症状でもまずGPで診察を受けます。ただしメガネやコンタクトレンズの処方は検眼士(Optometrist)が行います。たいていの眼鏡店に検眼士はいますので、そちらで予約を直接取りましょう。またレントゲンやCTスキャン、超音波などの検査はGPから指示を出してもらい、その検査機関へ必要なら予約を取り、検査を受けに行き、その結果をまたGPでみてもらうということになります。さらに専門的な診断・治療が必要とされた場合は、専門医への紹介をされることになります。GPや専門医などの受診はほぼ完全に予約制になっており、特に専門医の場合は重症度にもよりますが、2~4週間あるいはそれ以上の予約待ちはよくあることです。
日本であれば大きな病院に行けば長い待ち時間はあっても、検査も専門医の診察もたいてい その日のうちにすべてそこで済ませてしまうことができるだけにとまどったり、いらだったりしてしまうオーストラリアの医療システムですが、これはすべてを完全に分業化してしまう ことで利益の一点集中を防ぎ、また国と個人にかかる医療費削減を目的としているためです。
では一刻を争う重症な状態の場合はどうするの?ということになりますが、その時は直接病院の 救急外来(Emergency)に行きます。予約は必要ありません。そこで適切に検査、専門医の診察・治療を受けることができます。
日本語医療センター マネージャー 千綿 真美